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海外渡航者向けワクチン接種のご案内

海外渡航と予防接種

海外渡航時には国内旅行とは異なり、日本ではあまり見られない感染症にかかる危険性
があります。そこで自分自身が感染することを予防するとともに、家族や周囲の人達への
感染を防止するために、事前の予防接種をお奨めします。

また、黄熱病のように入国時に予防接種済みの証明書を要求する国や地域があることな
どから、渡航先、滞在地におけるリスク状況などの情報も正確に把握してから出発しまし
ょう。

接種方法は一種類のワクチンでも数回(2~3 回)、期間をあけて接種する必要があるも
のもありますから、ワクチン接種は余裕(できるだけ出発3 ヵ月以上前から)をもって早め
に計画しましょう。

【接種回数と有効期間】
  ワクチンの種類 抗体獲得率 接種回数 基礎免疫の接種間隔 有効期間
(追加接種の目安)
2 回目 3 回目
A型肝炎 不活化 2 回でほぼ100% 3 回 2~4 週 2 回目の6 カ月後 5~10 年
B型肝炎 不活化 3 回で70~90% 3 回 4 週間 2 回目の6 カ月後 10 年
破傷風 トキソイド 2 回でほぼ100% 3 回 4 週間 2 回目の12 カ月後 10 年
狂犬病 不活化 3 回でほぼ100% 3 回 1 週間 2 回目の2~3週後 2 年
日本脳炎 不活化 2 回で80% 1 回     4 年

※接種回数は滞在期間・場所によって異なります。
※破傷風ワクチン:1968 年以降に生まれた方で既に小児期に接種済みの方は1 回の追加接種のみ

接種時の注意事項

次の方は予防接種を受けることができません。
  1. 明らかに発熱のある方(37.5℃以上)
  2. 重い急性疾患にかかっていることが明らかな方
  3. 今日受ける予防接種、または予防接種に含まれる成分によって、アナフィラキシー(接種後30 分以内に出現する急性のアレルギー反応のことで、蕁麻疹・呼吸困難・ショック状態)を起こしたことのある方
  4. 医師が接種不適当と判断した場合
次の方は予防接種を受ける前に医師にご相談ください。
  1. 心疾患、肝疾患、腎疾患、神経疾患、血液疾患、発育障害、その他の慢性疾患等で治療を受けている方
  2. 以前に予防接種を受けたとき、2 日以内に発熱・発疹・蕁麻疹などのアレルギーを疑う症状がみられた方
  3. 薬、食品に対してアレルギーのある方
  4. 妊娠または妊娠の可能性のある方

ワクチン接種についての注意事項

破傷風トキソイドについて

小児期にDPT3種混合ワクチン接種を受けていない人(1968 年以前に生まれた人)
⇒ 2回目、3回目が必要

小児期にDPT3種混合ワクチン接種を受けた人
⇒ 出発前に1回接種(10 年間有効)

アジア、アフリカ、中南米に短期滞在 ないし 旅行する場合

接種ワクチン

A 型肝炎ワクチンを2~3回、破傷風トキソイドを1~3回

1回目 2回目 3回目
初日 2~4週後 2回目の6ヶ月後 2回目の12ヶ月後
A 型肝炎(1)
破傷風トキソイド
A 型肝炎(2)
(破傷風トキソイド)
A 型肝炎(3) (破傷風トキソイド)

 

アジアに長期間滞在する場合

接種ワクチン

A 型肝炎ワクチン、B 型肝炎ワクチン、狂犬病ワクチンをそれぞれ2~3回、破傷風トキソイドを1~3回、日本脳炎ワクチン、腸チフスワクチンを各1 回。1975 年~1977年生まれの人は渡航先によってはポリオ生ワクチン接種が1 回必要になります。

1回目 2回目 3回目
初日 1週後 4週後 2 回目の6 ヶ月後 2 回目の12 ヶ月後
A 型肝炎(1)
B 型肝炎(1)
狂犬病(1)
破傷風トキソイド
日本脳炎
狂犬病(2)
A 型肝炎(2)
B 型肝炎(2)
狂犬病(3)
(破傷風トキソイド)
A 型肝炎(3)
B 型肝炎(3)
(破傷風トキソイド)

 

アフリカ、特に赤道アフリカに長期間滞在する場合

接種ワクチン

A 型肝炎ワクチン、B 型肝炎ワクチン、狂犬病ワクチンをそれぞれ2~3回、破傷風トキソイドを1~3回

1回目 2回目 3回目 4回目
初日 1週後 4週後 2 回目の6 ヶ月後 2 回目の12 ヶ月後
A 型肝炎(1)
B 型肝炎(1)
狂犬病(1)
破傷風トキソイド
狂犬病(2) A 型肝炎(2)
B 型肝炎(2)
狂犬病(3)
(破傷風トキソイド)
A 型肝炎(3)
B 型肝炎(3)
(破傷風トキソイド)

 

中南米に長期間滞在する

接種ワクチン

A 型肝炎ワクチン、B 型肝炎ワクチン、狂犬病ワクチンをそれぞれ2~3回、破傷風トキソイドを1~3回

1回目 2回目 3回目 4回目
初日 1週後 4週後 2 回目の6 ヶ月後 2 回目の12 ヶ月後
A 型肝炎(1)
B 型肝炎(1)
狂犬病(1)
破傷風トキソイド
狂犬病(2) A 型肝炎(2)
B 型肝炎(2)
狂犬病(3)
(破傷風トキソイド)
A 型肝炎(3)
B 型肝炎(3)
(破傷風トキソイド)

※長期とは、概ね1ヶ月以上滞在の場合


料 金(税込み)

ワクチン料金(1 回につき)
種 類 接 種 料
肺炎球菌ワクチン予防接種 8,800 円
麻疹風疹ワクチン(MRワクチン)予防接種 13,200 円
麻疹ワクチン予防接種 8,800 円
風疹ワクチン予防接種 8,800 円
水痘・帯状疱疹ワクチン予防接種 8,800 円
おたふくかぜワクチン予防接種 8,800 円
A 型肝炎ワクチン 8,800 円
B 型肝炎ワクチン 6,600 円
狂犬病ワクチン 16,500 円
破傷風トキソイド 3,300 円
日本脳炎 8,800 円
二種混合ワクチン(破傷風・ジフテリア) 7,470円
三種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風) 7,610 円
髄膜炎菌ワクチン 27,500 円
不活化ポリオワクチン 11,000 円

 

予約方法

予約制となります。
1回目接種希望日の2週間前までに、お電話にてご予約下さい。

TEL:0859-32-8252

 

海外渡航で検討する予防接種の種類の目安

地域及び滞在期間
















東アジア 短期          
長期  
東南アジア 短期          
長期  
南アジア 短期          
長期  
中近東 短期          
長期    
太平洋地域 短期          
長期    
オセアニア 短期            
長期          
北アフリカ 短期          
長期    
中央アフリカ 短期          
長期    
南アフリカ 短期          
長期    
北・西ヨーロッパ 短期            
長期        
東ヨーロッパ 短期            
長期  
南ヨーロッパ 短期            
長期    
ロシア 短期            
長期  
北アメリカ 短期            
長期        
中央アメリカ 短期          
長期    
南アメリカ 短期          
長期    

◎:予防接種を強く推奨
○:局地的な発生がある等、リスクがある場合に接種した方がよい

注意1:この一覧表は、あくまでも参考であり、絶対的なものではありません。
注意2:長期とは、概ね1か月以上の滞在のことである。冒険旅行は短期であっても長期に含めます。